2007年11月22日木曜日
自転車のこと
今日は、最近語られることも多い自転車の話。
今回の写真、ブタペストの市内で撮影したもの。列をなして停まっている車はパーキングエリアのもの。さて、歩道と車の間に妙なスペースが空いているのを確認いただけるでしょうか。これ、道路標識にあるように自転車専用スペースです。
最近、自転車は歩道と車道、どちらを走るべきか、なんて議論をニュースやネットで見る機会も多いです。基本的には自転車は「軽車両」つまり、自動車やなんかの仲間なわけで、本来は車道を走るべきものなんです。ただ、全く歩道を走ることができないわけではありません。現在は一時的な処置として歩道を走ることができるようになっていて、それをどうするかが、議論の焦点になっているのです。ただ、議論の内容が「歩道」か「車道」のどちらかにする、という単なる二択になっているのはどうかと思いますが。過去、夫婦同姓の問題でも、報道されていた内容だと「必ず同姓」か「必ず別姓」かという議論で、「当事者の選択にすればいい」って意見を見なかったような気がしたのですが、どういうことなんでしょうね。
もとい。
そこでよく議論に出されるのが、諸外国での自転車のありかたです。曰く「自転車は車両の一種なので、車道を走るのが常識」とか、とか。僕も、車道を走る方が良いと思うのです。段差は少ないし、スピードは出せるし。それなりのスポーツ車であれば、僕くらいの素人であっても時速30㌔巡航くらいは出来てしまいますし。まぁ、ちゃんと、自転車が走る事を前提として作られている道路ならば、ですが。
実際にブダペスト市内を見ていると、ガチガチに「車道を走らなければいけない」わけではないようです。場所によっては、日本のように、歩道の一部を自転車通行帯としている場所もありますし、そんな場所では、歩行者と自転車がごちゃまぜになって走っていたりします(ウィーンでもそんなエリアがありました)。その辺は日本とあんまり変わらないのでは? という印象でした。
ただ、自転車に乗るひとたちの意識は、日本人のそれと全く違います。今回訪問したハンガリー、スロバキア、オーストリアやチェコで見かけた自転車乗りのひとたちは、とにかく『速く、速く。前へ、前へ」って感じです。日本みたいに左右にふらふらしながら乗っている人はいません。スーツ姿のビジネスマンも、クロスバイクにチャイルドシートで子どもを乗せたお母さんも、とにかく、まっすぐ一目散に走ります。荷物があれば、バックパックに。買い物袋をハンドルにぶら下げている人はいません。BMXに乗ったやんちゃなハイティーンの男の子たちが、集団で歩行者の合間をすり抜けながら、歩道を駆け抜けていったことはありますけど、それは例外でしょう。ただ、皆、「自転車なんだからトバさなくちゃ」って意識に駆られているような印象を受けたのです。
だから、その「どう、自転車に接するのか」って部分を置き去りにして、「歩道」か「車道」かの議論に、「外国ではこうだから」って話を持ち込むのはちょっと違うのではないかと思うのですよ。個人的には状況に応じて車道と歩道を選べるのが一番良いと思うのですけど。
あと、自転車の列車や地下鉄(ウィーンでのこと)への自転車の持ち込みは自由です。
ただ、それも持ち込む人たちのマナーがあってはじめて成り立ちます。個人的にはうらやましい状況ですが、これを一概に日本に持ち込むのは難しい、と思うのです。
ただ、こういう欧州の状況を見ていると、函館でも、もっといろんなことができないか、と思うのです。例えば、市電の外側にアタッチメントをつけて、自転車と一緒に移動できるようにするとか。例えば、駅前にレンタル自転車があって、その自転車を借りると、自転車の一日乗車券とともに市電の利用権が与えられる、とか。そーゆーことができたら、観光客に対するアピールの一環になりませんかね?
欧州と付き合うメリットって、こういうことを考える機会が増えることだと思うのですよ。
では。
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