ここでは、秋の欧州訪問で、彼らと直接出会ったときのことを交えながらお話をしたいと思います。
来日するのは、このバンスカ・ビストリッツィアで活動している国立オペラのメンバーです。そこで、僕ら(長年同オペラを日本に招聘している長谷川さんはじめ、福岡の鯖江市での公演を主催されている代表者の方など四人)は、ソプラノのアルズベタ・トルゴヴァさん宅のホームパーティに招かれました。写真はそのときのものです。右の写真は席に付いている方、左から、バリトンのシモンさん、アルズベタさん、ソプラノのカタリナさん、ピアノのマルチナさん、ソプラノのオルガさんです。そして後ろに立っている男性はアルズベタさんのご主人になります。この方は、同国の音楽教育界では著名な方だそうで、これだけでも、同国の音楽界のトップクラスの方々が集合していることになります。ちなみに彼が手にしているビンに入っているのは、自家製のボロヴィチカ(ジンに似たスピリッツ)。
皆さん、幾度となく来日をされている方々(99年以来行われている日本公演のメンバーは固定されています)ので、ラーメンと餃子が好物だったりするそうです。また、このときは、日本人の僕らのために、テーブルに割り箸を用意してくれていました。今回、主役のダブルキャストを務めるカタリナさんは初めての来日になるそうで、箸を使う僕を見て「箸で食事をするのを初めて見た」と言って驚いてましたが。
ちなみに、言葉ですが、EUがあるとはいえだれもが英語を話すわけではないようです。ディレクターのホロマダさんやその秘書の方などは英語を話しますが、三十代以降では、共産圏時代の教育を受けていたせいか、あまり英語を話す方はいません。ただ、ほかの国でも、東京で仕事をしていたことがある方でも、フランス語とドイツ語しか話せなかったりするわけで。まぁ、今のヨーロッパでは特に英語、と言わなくても自国語ともう一つくらいヨーロッパの言語を話すことができればなんとかなるような、そんな印象を受けました。
脱線してしまうと、今のヨーロッパでは人の行き来はほとんど自由ですから、目の前にいる人物が自分と同じ国の同じことばを話せる人かどうかなんて、彼らにしても声を掛けてみなければ解らないわけで。声をかけて、言葉が通じなかったら「じゃぁ、お前は名以後を話すんだ」ってそこから会話が始まるわけです。そんな状況下で向こうの人たちは暮らしていて、それを考えると彼らから見て「国際交流」ってのはなんだろうか、日本とは捉え方が違うんじゃなかろか、とかそう考えてしまうのです。
今回は、もう既にほかでみることが出来る、経歴やなんかを紹介するのではなく、敢えて、こういうオペラとは離れた部分での彼らの様子を紹介しました。
ただ、彼らは国立オペラの一員という国家公務員として、ほとんど毎日のようにオペラやオペレッタのどの公演をしており、求められる実力が発揮できなければ、クビという事態もありえるわけです。そんな競争のなか、磨き抜かれてきた彼らがどのような歌声を披露するのか、興味はありませんか?
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