2007年10月23日火曜日

欧州オペラ事情 その一

写真はスロバキア中部の都市バンスカ・ビストリツァにある国立オペラ劇場


 書く事がたくさんあります。
 これからオペラ公演をするために、現地でのオペラの現状を肌身で観て知っておこう、という目的で、欧州訪問をしました。そしてこのブログでそれを書くのは、オペラについて興味を持ってもらう事で、一人でも多くの方に今回の公演を観て頂ければ、という目的です。ですが、オペラについて語ると言う事は、勢い、そこに生きている人やその生活についても語らないと説明しきれないと思っています。
 僕は、欧州の専門家でもなんでもない一般市民ですから、結局は、とある一個人によるヨーロッパの印象でしかないわけなのですが。

 これから、何日かに渡って色々なことを書きながら、欧州について、オペラについて自分の感じたことや現状を説明していくのですが、それでは結論が出るまで、あまりにも長くなってしまうので、僕なりのオペラに関する結論を最初に書いておきます。

 オペラってのは、本当に大衆芸能です。
 楽しいです。
 今の日本では、フルにオペラ公演をするためのメンバーを呼ぶとなると、経費だけで莫大な費用が掛かってしまいますし、それはチケット代に跳ね返ってきますから、大衆芸能だと僕が言っても、読んでいる皆さんには納得できかねるものであることは承知します。僕自身もそうでしたし。
 ただ、現地の様子を観てきた限りでは、オペラというのは、ちょっとセレブな生活をしているような、一部の人たちだけのものではありません。
 内容自体も、そんな高尚なものではありませんし。

 今も昔も変わらない、男女が好きだ嫌いだとかいう、そんな普遍的なものがほとんどです。まぁ、ドイツ系のワーグナーとかを持ち出されるとちょっと話は変わってきますけど。
 また、欧州ではお金持ちだろうが、お金のない学生だろうがオペラを観る事が出来ます。これについては後日、説明します。ただ、そういうシステムがあるから、そういうシステムを維持し続けたから、かの地ではオペラが大衆芸能でありつづけることも出来たのでしょう。と、いうより、そういうシステムを崩すことなど彼らには思いもよらないほどにオペラというのは大衆芸能としての地位を不動のものにしています。
 基本的にはドレスコードだってありませんよ。まぁ、小汚い格好をしていたり、あまりに非常識な格好をしていたら止められるかもしれませんが。
 今の日本で言えば、映画を観に行くのより距離が近いかもしれません。

 そして、もう一つ重要な事は、オペラという、歌、音楽、演出や舞台装置などを総合して扱う大衆芸能がひろく浸透し続けているから、今の映画や音 楽(これは、ポップスからハードロック、ヘビメタまで)があるのだろうな、ということです。これについても後々説明していきます。

 本来、日本では歌舞伎や落語がその地位にあったのですし、出来る事なら、千円くらいで気軽に歌舞伎を観る事が出来るようになってもらいたいものですが、今の日本では、まずそれらが変わることはないでしょう。10/23 10;20 追記)「歌舞伎座(東銀座)では、一幕見というのがあって最上階ですけれど1000円前後(演目によって料金が違ったりする)で観劇できる」などの情報を頂きました(歌舞伎座該当ページ)。情報ありがとうございます。ただ、HPの情報によると、幕間の買い物が自由に出来ないなどの制限があるようです。この辺については後々、比較をしていきたいと思います。(追記終了)
 だから、海外のものではありますけれども、安い価格で高い質のオペラを観て頂くことによって、函館の皆さんの生活をより豊かなものにする一助とする事が出来ればと、函館でのオペラ公演を計画しました。

 続きます。
 まずは、ご笑覧ください。

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